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「この家、どうしようか?」
親が高齢になってきた、実家・・・空き家になっちゃうのかな。それとも私や兄弟が住む・・・?
そんな不安や心配がよぎることはありませんか。
考えたくない。まだ先の話。高齢といえど親も元気だし。そもそも面倒くさいし、自分だけでは決められない話だし——。
でも、後回しにしている間に問題はじわじわと大きくなっていきます。

第1章:実は珍しくない「放置された実家」
「うちの状況はややこしそう。」と思っている方もいれば、そもそも自分の実家の状況がよくわからない、という方もいるかもしれません。
「めんどくさいな」と思っているうちに、問題はどんどん大きくなっています。
実はどちらも、珍しくないんです。
全国の建物を調べると、登記されていない建物が1,000万戸以上あると推計されています。約6戸に1戸が未登記という計算です。 (出典:政府の住宅・土地統計調査と実際の登記件数の比較/法務省実態調査 2026年1月)
登記とは、土地や建物の所有者が誰なのかを法務局に公式に記録することです。登記されていない状態というのは、「法律上の正式な持ち主が不明」ということ。売ることも、担保にすることも、相続の手続きも、スムーズに進められなくなります。
昔は住宅ローンを組まずに現金で家を建てるケースも多く、登記の必要性を感じないまま何十年も経ってしまった——そんな家が全国にたくさんあるのです。
また、都市部の古い住宅街では借地の家も珍しくありません。土地は地主さんのもの、建物だけ自分のもの、という状態です。
祖父や祖母の名義のまま固定資産税の通知が届いている、なんてケースも実はよくある話です。

第2章:2024年から相続登記が義務化された
「いつかやればいい」が通用しなくなりました。
相続登記とは、亡くなった方が持っていた不動産の名義を、相続人の名義に変更する手続きのことです。
この相続登記が、2024年4月から法律で義務化されました。相続が発生したこと(=不動産の持ち主が亡くなったこと)を知った日から3年以内に登記の申請をしなければならず、正当な理由なく放置した場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。 (出典:不動産登記法 第76条の2/第164条)
なお、新築した建物をそもそも登記していない「未登記建物」も、法律上は建物取得から1ヶ月以内の登記が義務付けられています。「相続登記だけが問題」ではなく、登記されていない建物自体もすでに義務違反の状態です。 (出典:不動産登記法 第47条)
これまでは「売るときにやればいい」「特に困ってないし」と後回しにできました。でも今は、そうはいかなくなってきています。
しかも厄介なのは、放置している間にも相続人はどんどん増えていくということです。
親が亡くなって放置→その兄弟が亡くなって子どもたちにも相続権が発生→さらに放置→ひ孫の代まで関係者が増える……
気づいたときには、話し合いに参加しなければならない人が何十人にもなっていた、というケースも実際にあります。
「うちはまだいいや」と思っているうちに、問題はじわじわと大きくなっていきます。

第3章:相続人が多いと、費用も跳ね上がる
「わかった、じゃあ登記すればいいんでしょ!」と思った方、その通りです。
でも、もう一つ知っておいてほしいことがあります。それは費用です。
相続登記にかかる費用は、司法書士への報酬と、国に納める登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)などの実費の2つが主なものです。
ただし、最初から登記がされていない「未登記」の建物の場合は、名義変更の前にまず登記自体を作るところから始めなければなりません。
その場合の手順はこうなります。
- 建物表題登記——「この建物が存在します」という登記を初めて作る。土地家屋調査士に依頼して建物の図面を作成し法務局に申請する。費用の目安は8〜12万円程度。
- 所有権保存登記——「この建物の所有者は誰です」という登記をする。司法書士に依頼。費用は2〜3万円+登録免許税。
- 相続登記——その上で、故人の名義から現在の相続人の名義に変更する。
つまり未登記の建物は、通常より手続きが多く、費用もかさみます。
シンプルなケース(相続人が少なく、不動産も一つ)であれば、トータル10万〜20万円前後が相場です。
ところが——
- 祖父・祖母の代から登記が放置されている
- 相続人がすでに亡くなっていて、その子どもたちにも権利がある
- 相続権のある人が多い
- そもそも未登記で、登記を新たに作るところから始まる
こういった条件が重なると、費用は30万〜50万円、場合によってはそれ以上になることもあります。 (出典:司法書士法人 不動産名義変更手続センター/SBI証券 相続そうだんターミナル)
早めに動くほど、関係者は少なく、費用も抑えられます。放置するほど、その逆になっていくのです。
第4章:じゃあ、どこから手をつければいい?
「登記しなかったのは自分たちのせいじゃない。親や祖父母の代が放置してきただけなのに、なぜ自分たちが尻拭いをしなければならないのか。」
そう思う方、その怒りはもっともだと思います。
しかも厄介なことに、親の面倒も見ていなかった兄弟や親族が、いざお金の話になった途端に現れることも珍しくありません。法律上は権利があるから、要求すること自体は違法ではない。それが余計に腹立たしいのです。
でも、待てば解決するかというと——そうでもないのが現実です。
相続人が高齢になっていき、認知症になってしまうと意思能力がないとみなされ、成年後見人を通じた手続きが必要になり、むしろ複雑化します。亡くなれば今度はその子どもたちに権利が移り、関係者がさらに増えます。
待つほど、状況は悪くなる一方なのです。

では、どんな選択肢があるのか?
状況によって、選べる道は違います。
①専門家に依頼して正式に解決する:
まず未登記の建物であれば建物表題登記を行い、その後相続登記へと進みます。相続人全員の合意(遺産分割協議)も必要になります。時間と費用はかかりますが、住み続けたい場合はこれが基本の選択肢です。司法書士や土地家屋調査士に相談するところから始めましょう。
②売却・買取という選択肢 :
借地・未登記・築古でも、訳あり物件の買取専門業者はあります。「手放す」という決断も、立派な解決策のひとつです。ただしこの場合も、売却前に建物の登記を済ませておく必要があります。
③相続人全員で費用を分担する :
一人で抱え込まず、相続権のある全員で費用を出し合う交渉をする方法です。まとまれば一人あたりの負担が大きく軽くなります。ただし、この選択肢はトラブルの元になることも。これまで実家に関わってこなかった相続人が、お金の話になった途端に現れ、交渉内容によっては、逆に金銭を要求してくるケースも実際にあります。交渉がこじれると、解決どころか関係者全員が疲弊する結果に。交渉する場合は、専門家を間に入れることをおすすめします。
④相続放棄という選択肢:
相続権を放棄することで、手続きや費用の負担から外れることができます。ただし大きなデメリットがあります。現在その家に住んでいる場合、住み続ける法的根拠がなくなるため、退去しなければならない可能性があります。家族やペットが住んでいる場合は慎重に検討が必要です。
⑤まずは無料相談から始めてみよう :
お金も気力もない、でも何かしなきゃと思っているならば、法務局や市区町村の無料法律相談は誰でも使えます。まずそこで話を聞いてもらい、ご自分の状況を整理することから始めてみましょう。
大切なのは、一人で抱え込まないこと。
子どもがいる方は次の世代のために、子どもがいない方は自分自身が困らないために。どちらにとっても、早めに動くことが一番の得策です。
実は私自身も、この問題を抱えていて、しかも複雑なケースです。私がSNS部長をつとめる会社の社長は、不動産だけでなく、相続や終活、FPの資格を持つプロでもありますので、「早く動かないと大変よ!」と常々言われていました。
重い腰を上げ、ようやく少しずつ動き始めましたが、社長にアドバイスされたのは「母から、実家の状況の詳細を聞いて、記録をしてみること。」でした。具体的に相談してみると、「まず何をすればいいか」が見えてきて、ずしんと重かった気持ちが少しだけ楽になりました。
その家族ごとに事情や状況は異なりますので、あなたも同じようなお悩みを抱えているなら、信頼できる専門家をまず尋ねてみることをおすすめします。
実家の空き家問題についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの動画もぜひご覧ください。 👉 なるほど不動産チャンネル「空き家を放置するリスク」
まとめ:後回しにしていいことは、何もない
「この家、どうしたらいいんだろう?」
その問いから目を背けたくなる気持ち、よくわかります。面倒だし、お金もかかるし、兄弟・親族間でもめるかもしれない。
でも、放置するほど関係者は増え、費用も膨らみ、選択肢は狭まっていきます。
まずはひとつから。少しずつでいいんです。
「登記を調べてみよう。」
そこから始めてみてください。その小さな一歩が、自分自身を守ることにつながります。


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