未登記の実家を整理しようとしたら、家族ケンカになった話(第1回)

未登記のままになっている日本の古い実家の外観 相続・実家

この記事は2回に分けてお届けします。 1回目は私自身の実体験、2回目は「なぜお金がない家ほど揉めるのか」というデータと対策編です。

終活、相続って大事だとは思うけど、なかなか取り組んでいない人が多いような気がします。 でも、この記事を読むと、早めに動くこと、ちゃんと動かないと後々問題が大きくなることがご理解いただけると思います。

特に40代以降の方にお届けしたい記事です。


未登記のままの実家

私の実家、実はずっと「未登記」のままです。

名義は、とっくに亡くなっている祖父のまま。固定資産税の通知も、今なお祖父の名前で届きます。土地は借地で、その地代の支払いはずっと母がしてきました。

この状態を、私がSNSマーケティングの部長としてお世話になっている、下田博美社長に話したところ、こう言われました。

「お母さんが元気なうちに、少しずつでも整理していった方がいいよ」

聞けば、今は未登記のままにしておくこと自体が違法になっているのだそうです。まずは家の図面のようなものが残っていないか探してみること。そして、母に家にまつわる経緯を聞いて、「記録」として残しておくこと。それだけでもやっておいた方がいい、とアドバイスをもらいました。

実印と朱肉、書類が置かれた登記手続きのイメージ

母に話してみたら、返ってきた言葉

それで、母に何度か話しをしてみました。でも返ってきたのはこんな言葉でした。

「お母さんは知らない。あんたの好きにすればいい」
「お母さんはどうせ死ぬんだから、関係ない」

母が「死ねばそれでいい」と思うのは、母の自由かもしれません。でも、残された側はそうはいきません。先祖が残していった、いわば”負の遺産”を、なんとかしなければならないのは私たち姉妹なのです。

「せめて記録を残すことに協力してほしい。それすらしないのは、無責任じゃない?」

そう言うと、逆ギレされてしまいました。

先日、妹が遊びに来ていたので、ちょうどいい機会だと思ってこの話をしたら、妹と母の間で親子喧嘩が勃発。私も含めて、気まずい空気のまま夜が更けていきました。

終活・相続の難しさ——母が「関わりたくない」と言う理由

母の言い分は、こうです。父方の兄弟には、一切関わりたくない。

それには理由があります。祖母の生前、父の兄弟二人は、父に無断で祖母の預貯金を分け合ってしまったことがあるのです。しかも祖母には「あの夫婦(私の両親のこと)はおばあちゃんのお金目当てで来ているんだから、そのうち取られてしまうよ」と吹き込んで、信じさせたのだそうです。

父は長男として、当時別に住んでいた祖母のもとへ足繁く通い、必要なものを買って様子を見に行っていました。それが原因で、母とはよく夫婦喧嘩になっていたほどです。それでも父は、祖母のことは自分が介護をするつもりで、嫌がる母を連れて実家に戻り、祖母と母と暮らす道を選びました。

それなのに、自分の兄弟に吹き込まれた話を信じ、お金を渡してしまった祖母。父にとって、その裏切りは相当なショックだったようです。それ以降、父は祖母を憎むようになり、家の中はずっと険悪なムードでした。あれほど祖母の面倒を見ていた父が一切関わらなくなったことで、祖母の介護は結局、母ひとりに託されることになりました。お金を持って行った兄弟たちは、介護を一度もしたことがありません。祖母が亡くなった後、葬儀を済ませたのも母でした。

こうした原因を作った、父の兄弟を母もまた憎みトラウマ級のネガティブな思い出となって残っています。

こういう過去があったからこそ、母が「関わりたくない」と言う気持ちも、私には分かります。

これは我が家の場合ですが、どこのご家庭にも、程度の差こそあれ、思い出したくないような出来事や、まさに今直面しているということもあるかもしれません。 あなたのご家庭ではいかがでしょうか?

このように相続のこと、終活のことで動こうとすると、高い壁が立ちはだかり、なかなか前に進まないのが現実なんだと改めて実感しました。 でも、だからといって、このまま放っておいていいわけではないようです。

実家の相続について家族で話し合う様子のイメージイラスト

相続はお金がない家ほど揉めるらしい

博美社長いわく——

「相続って、お金がない家ほど揉めるのよね。」

えっ!

確かに我が家は逆立ちしても資産家家庭ではありませんが、横溝正史さんの『犬神家の一族』(スケキヨ)の影響か、なんとなく相続で揉めるのは「お金持ちの家」だと思っていたので、驚きました。

次回は、この言葉の意味と、実際のデータから見えてきた「なぜ財産が少ないほど揉めるのか」についてお伝えします。

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